✨第7話 勢いのままに三棟・四棟目へ ― 止まらないアクセル

リタイアまでの私

二棟目を買って、ようやく落ち着いた……
はずだった。

でも実際は、アクセルを踏みっぱなしに近かった。
勢いがついてしまうと、人はなかなか止まれない。
(これ、今でも名言だと思っています。笑)

そんな時期のことだった。


猛烈アピールが止まらない

税理士さんとも出会い、管理会社も落ち着き、
なんとなく“オーナーとしての土台”が整ってきた気がしていた。

すると不思議なもので、
営業マンからのアプローチが、さらに一段階激しくなった。


「小林さん、すごく良い物件が出ました!」
「これは他の人に回さず、まず小林さんに紹介したくて!」

そして極めつけはこれだ。

「小林さんの探しているエリアで物件が出まして……
正直、利益は出ませんが、ステータスにはなると思います!」

利益が出ないのに紹介される物件とは何なんだ。
でも、言われてみれば悪い気はしなかった。

この頃はきっと、
「小林=物件を買う人」
そう思われていたのだろう。

全てを相手していたら振り回される。
自分の時間がなくなる。
頭では分かっていたけれど、勢いが勝っていた。


三棟目は鉄骨造のワンルーム

いくつもの営業電話の中で、少し気になる物件があった。

鉄骨造の二階建てワンルーム。
外観は少し個性的。正直、古い。

でも、場所は悪くない。
値段も手頃(いや、麻痺していた可能性はある)。
数字だけを見ると、確かに悪くない。

そして営業マンがとにかく熱い。

「ここ、絶対に回ります!
小林さんのエリア戦略にもピッタリです!」

エリア戦略なんて、立派なものは僕にはなかった。
ただの「通いやすい場所」だ。

でも、熱量に押されると、
なぜか前向きに聞こえてしまうものだ。

そのまま軽く値交渉して、三棟目の購入を決めた。


四棟目はRCの六階建て

次に紹介されたのは、長年お世話になっていた不動産会社からの物件だった。

六階建てのRCアパート。
でもこれも、やっぱり古い。

「RCでこの価格はお買い得!」
「ファミリー物件で駅チカだから空室リスクは低いよ!」

エレベーターも付いているし、“安定感”はある。
諸経費を考えると手残りは少なかったけれど、
色々考えてもらった結果、こちらも勢いのまま購入してしまった。


この頃の僕は、計算が甘かった

税理士さんがついたことで安心し、
冷静に判断できているつもりになっていた。

数字は見ている“つもり”。
でも実際は、
良いところだけ見て、不安な部分は心の奥でスルーしていた。

今思えば、完全に“勢いの魔法”にかかっていた。


そして調子に乗る

ここまで来ると、所有物件数はなかなかのものになった。

  • ワンルーム:16部屋+10部屋
  • ファミリータイプ:20部屋+18部屋

数字だけ見れば、もう立派な“大口オーナー”だ。

正直、調子に乗っていた。
毎月の入金額も増えて、怖いものなしだった。

でも——世の中はそんなに甘くない。


次回は、
トラブル・資金ショート・そして売却
の話です。

勢いだけでは越えられない現実にぶつかった、苦い経験です。

コメント