二棟目を買って、ようやく落ち着いた……
はずだった。
でも実際は、アクセルを踏みっぱなしに近かった。
勢いがついてしまうと、人はなかなか止まれない。
(これ、今でも名言だと思っています。笑)
そんな時期のことだった。
■ 猛烈アピールが止まらない
税理士さんとも出会い、管理会社も落ち着き、
なんとなく“オーナーとしての土台”が整ってきた気がしていた。
すると不思議なもので、
営業マンからのアプローチが、さらに一段階激しくなった。
「小林さん、すごく良い物件が出ました!」
「これは他の人に回さず、まず小林さんに紹介したくて!」
そして極めつけはこれだ。
「小林さんの探しているエリアで物件が出まして……
正直、利益は出ませんが、ステータスにはなると思います!」
利益が出ないのに紹介される物件とは何なんだ。
でも、言われてみれば悪い気はしなかった。
この頃はきっと、
「小林=物件を買う人」
そう思われていたのだろう。
全てを相手していたら振り回される。
自分の時間がなくなる。
頭では分かっていたけれど、勢いが勝っていた。
■ 三棟目は鉄骨造のワンルーム
いくつもの営業電話の中で、少し気になる物件があった。
鉄骨造の二階建てワンルーム。
外観は少し個性的。正直、古い。
でも、場所は悪くない。
値段も手頃(いや、麻痺していた可能性はある)。
数字だけを見ると、確かに悪くない。
そして営業マンがとにかく熱い。
「ここ、絶対に回ります!
小林さんのエリア戦略にもピッタリです!」
エリア戦略なんて、立派なものは僕にはなかった。
ただの「通いやすい場所」だ。
でも、熱量に押されると、
なぜか前向きに聞こえてしまうものだ。
そのまま軽く値交渉して、三棟目の購入を決めた。

■ 四棟目はRCの六階建て
次に紹介されたのは、長年お世話になっていた不動産会社からの物件だった。
六階建てのRCアパート。
でもこれも、やっぱり古い。
「RCでこの価格はお買い得!」
「ファミリー物件で駅チカだから空室リスクは低いよ!」
エレベーターも付いているし、“安定感”はある。
諸経費を考えると手残りは少なかったけれど、
色々考えてもらった結果、こちらも勢いのまま購入してしまった。

■ この頃の僕は、計算が甘かった
税理士さんがついたことで安心し、
冷静に判断できているつもりになっていた。
数字は見ている“つもり”。
でも実際は、
良いところだけ見て、不安な部分は心の奥でスルーしていた。
今思えば、完全に“勢いの魔法”にかかっていた。
■ そして調子に乗る
ここまで来ると、所有物件数はなかなかのものになった。
- ワンルーム:16部屋+10部屋
- ファミリータイプ:20部屋+18部屋
数字だけ見れば、もう立派な“大口オーナー”だ。
正直、調子に乗っていた。
毎月の入金額も増えて、怖いものなしだった。
でも——世の中はそんなに甘くない。
次回は、
トラブル・資金ショート・そして売却
の話です。
勢いだけでは越えられない現実にぶつかった、苦い経験です。



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