司法書士の仕事をしていた頃から、不動産業者とはたくさん関わってきた。
でも、「管理会社」という存在には、ほとんど縁がなかった。
自分で物件を持つようになって初めて、
「ああ、管理会社ってこういう仕事をしているんだ」
と知った。
そして、会社ごとにやり方も考え方も本当にバラバラだということを実感した。
一棟目でお世話になった管理会社は、
とにかくルールとシステムがびっしり整っていた。
書類、報告、点検、更新——
どれもマニュアル通りで完璧。
その分、“安心パック”的な費用もなかなかの金額だった。
安心の裏には、ちゃんと料金がついてくる。
もちろん悪くはない。
でも、少しでもマニュアルから外れると即・別料金。
安心も、完璧ではないのだ。
店舗は明るく清潔で華やか。
ただどこか、人の温度を感じにくかった。
一方、二棟目の管理会社は、まったく逆だった。
対応はやわらかく丁寧。
話し方も穏やかで、どこか親近感があった。
けれど、やり取りの節々に“頼りなさ”が見え隠れした。
報告が遅れたり、確認不足があったり……
悪気はないのだけれど、「大丈夫かな?」と思うことが多かった。
ただ、管理料は驚くほど安い。
もし、ほぼ全部自分で動けるオーナーなら、それで十分かもしれない。
でも、当時の僕には心もとない相手だった。
そんな不安を抱えて二棟を管理していた頃、
知人の紹介で、一人の営業マンと出会った。
第一印象は、
「なんだかおもしろそうな人だな」
という感じ。
数字の話をする前に、
「どんな運営をしたいですか?」
と聞いてくれた。
こちらの考えを尊重しながら、
「それなら、こういうやり方もありますよ」
と、無理のない提案をしてくれる。
話を聞きながら、心の中で思った。
「ああ、こういう人と仕事がしたかったんだな」と。

ルールで縛るわけでもなく、
甘やかすわけでもない。
オーナーとしての“自由”と“責任”を、
ちゃんと理解している人。
ようやく、自分が思い描いていた
「こういう管理会社がいい」という姿に出会えた気がした。
しばらく考えた末、僕は管理会社の変更に踏み切った。
正直、手続きは大変だった。
(このあたりはまた別の回で書こうと思う)
あれから何年も経つけれど、
その営業マンとは今でも良い関係が続いている。
不動産経営は“物件選び”より、“人選び”のほうがずっと大事。
あの出会いが、僕にそれを教えてくれた。
次回は、税金と税理士の話です。
ここから、また大切な「人との縁」が登場します。



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