✨第8話 トラブル発生と資金ショートと売却と

リタイアまでの私

部屋数が増えて、収入も支出も一気に大きくなっていった。
正直、自分の名前でお金を動かしている実感があって、それをどこか楽しんでいた。

でも——油断していた。
本来の“小心者の自分”を、完全に忘れていた。
すべては 計算が甘かったこと に尽きる。


見えていなかった「諸費用」という落とし穴

三棟目と四棟目を買ったとき、僕は先の先まで計算していなかった。

三棟目のときは、自己資金を出しすぎた。
融資は売買代金だけで、諸費用をまったく考えていなかった。

四棟目も同じ。
諸費用を軽視して、再び自己資金をドンと投入。

気づけば、手元資金はどんどん減っていた。


そこに追い打ちでトラブル発生

そんな状況の中で、次々と予想外の事態が起きた。

  • 貯水槽の破裂
  • 退去ラッシュでリフォーム費が増える
  • 不動産取得税の支払い
  • 所得税の予定納税

事業を始めたばかりで残っていた資金は——
いや、正確に言うと 足りなくなっていた。

この時期は本当にピンチだった。

サラリーマンとしての仕事も忙しく、
考える時間も取れず、夜は眠れない日が続いた。


資金調達のアイデアが「ない」

当時の僕には、資金調達の知識がまったくなかった。
考えも単純で、

  • 空室を埋めれば家賃が入る
  • でも入居募集するにはリフォームが必要
  • そのリフォーム費用がない

という完全な行き詰まり。

しかも優先しなければならない支出は山ほどあった。

貯水槽を直さないと入居者の日常生活に影響する。
税金を払わないと差し押さえが入る。

差し押さえが来たら、
今の生活も、事業も、すべてが壊れてしまう。

当時の僕は、本気で追い詰められていた。


最悪の選択肢まで考えていた

「いっそ全部捨ててしまうしかないのか……」
自己破産、任意再生——そんな言葉が頭をよぎった。

書きながら思い出しても胸が痛いほど、
あの頃は本当に追い込まれていた。

正直、泣きたくなる日もあった。


そして出した、一つの結論

結局、たどりついた答えはこうだ。

三棟目を売却すれば、流れを戻せるのではないか。

当時の僕にとっては“苦しみから解放される唯一の道”に思えた。

そして決断した。


売却が奇跡的にうまくいく

不動産屋さんの営業が本当に頑張ってくれた。
結果、購入時より 500万円高く 売却できた。

その差額を返済に回し、
なんとか事業を立て直すことができた。

もちろん、売却益が出たので翌年の税金は地獄だったのだが……
それでも“終わり”にならないだけマシだった。

今振り返ると、懐かしくもあり、恥ずかしくもある。
でも、あの苦しみがあったから今の僕があるのも事実だ。

本当に——
何事も、一瞬先は闇だと思い知った。


今回の話の結論

不動産賃貸業は、
安易に考えると大失敗する。
これは僕が身をもって経験した、嘘のない教訓だ。

あのとき何が甘く、何が抜けていたのか——
今なら冷静に計算できるようになってきましたが、まだまだ完璧までは遠いかな。


次回は、細かな数字の話 をしていこうと思う。

コメント